バイエルといえば、最も有名なピアノの入門テキストです。
多くの人がこの「バイエル」を使ってピアノを習い始めたのではないでしょうか。
 
全音楽譜出版社では、たくさんの種類の「バイエル」を出版しています。『標準バイエル』『全訳バイエル』『指づかいつきバイエル』『最新バイエル』『子供のバイエル』…
 
いったい、どうちがうの!?
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このようなお問い合わせをよく頂きます。
それぞれのちがいと特長についてご紹介しましょう。
 
まず最初に言えることは、すべて同じ「バイエル」であるということ。
「バイエル」とはご存じのとおり作者フェルディナント・バイエルFerdinand Beyer(1803-1863)のことであり、要は「バイエル氏が書いた教則本」のことを我々は「バイエル」と愛称で呼んでいるのです。
本来の出版物名は「Vorschule im Klavierspiel」。その名の通り「ピアノ演奏の初歩」という意味です。
 
 
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それでは、出版物のちがいについてご紹介します。
 
 
日本で古くから最も多くの人に使われているものです。進度に合わせた併用曲を24曲収載しています。
 
 
『標準バイエル』は解説を省略したり、文章を変更したりしている箇所がありますが、この『全訳バイエル』では、原書に忠実に翻訳しています。「全訳=全部訳した」という意味です。日・英・独の3カ国語を掲載。
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併用曲は数曲ですが、巻末に「エリーゼのために」を掲載しています。学習者の目標となるように憧れの曲を掲載する工夫がされています。
 
『全訳バイエル』とほぼ同じです。ちがうところは、「全ての音に指番号をつけてある」ところです。
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短期間でバイエルを克服したい、保育士や小学校教諭を目指す方や、大人になってから独学でピアノを始める方に適した内容です。併用曲は収載していませんが、巻末には「エリーゼのために」を掲載しています。
 
原書のバイエルとは大きく異なります。現代のレッスンに合った内容になるよう改変されています。たとえば、曲順の入れ替え、調の配列の検討、指練習の挿入、併用曲の挿入など、より楽しく、かつ効果が上がるように変更されています。
 
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言わずと知れた大ベストセラーです。内容はバイエルそのままですが、子供が使いやすいように音符を大きくしたり、親しみのある曲を併用曲としてたくさん収載したり、イラストを入れたりしています。「赤バイエル」「黄バイエル」などとも呼ばれています。
今ではたくさんの会社から出版されていますが、最初にこの「子ども用バイエル」を出版したのは全音楽譜出版社で、当時の若い編集部員が考えた企画だそうです。
 
 
 
バイエルといっても本当に様々ですね!
是非、用途に合う「バイエル」を探してみて下さい。
 
 
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