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2020年8月アーカイブ

 つい先日気がついたことですが、DECCAの名盤のひとつ、エルネスト・アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団が1963年に録音したフランス音楽名曲集(ANSERMET CONCERTというタイトルでも発売されていた)に収められている20世紀を代表するフランスの作曲家による次の4曲のオーケストラ作品が、全音スコアA5判サイズの新しいスコアですべて揃うようになったことです。
 
ラヴェル《ボレロ》
ラヴェル《ラ・ヴァルス》
オネゲル《パシフィック231》
デュカス《魔法使いの弟子》
 
現在もDECCAの優秀な録音のオーディオ・ファイルとして取り上げられるアンセルメの名アルバムのひとつ、これまでに何度も新しいフォーマットで発売されていますが、この4つの作品のスコアが同じフォーマットで出版されていて、全て揃う出版社は全音スコアしかありません。
往年の名盤の鑑賞のお伴に、是非この4冊を揃えてはいかがでしょうか。
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ちなみにアンセルメは同じ4作品の組み合わせで、1954年にパリ音楽院管弦楽団と録音したアルバムもあります。こちらはモノラル録音ですが、むしろ溌剌として冴え渡り元気いっぱいの頃のアンセルメのバトンでこれらの名曲を楽しむことができます。こちらは現在、オーストラリア・エロクァンスのレーベルで発売された輸入盤CDで聴くことができます。(上手に探せばネットやYouTubeでも聴けます)


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フランスの作曲家モーリス・ラヴェルのオーケストラ曲の傑作《ラ・ヴァルス》は、ウィンナ・ワルツ(ウィーン風のワルツ)の賛美として作曲され、今も広く聴かれている代表作です。
 
スコアの前には次のような言葉が掲げられています。

「渦を巻く雲の切れ間から、ワルツを踊る男女たちがちらちらと垣間見える。雲が少しずつ散っていくと、旋回する人々であふれかえる大広間がはっきりと見えてくる。舞台はだんだん明るくなり、シャンデリアの光がフォルティッシモでまばゆいばかりに輝く。1855 年頃の、皇帝の宮廷。」(ラヴェルによるフランス語の説明からの抄訳)

 

この作品は、まず2台ピアノの形で1920年10月23日にウィーンでラヴェルとカゼッラ(イタリアの作曲家)の二人によって公開で演奏され、同じ年の12月12日、パリのサル・ガヴォー(ガヴォー・ホール)でコンセール・ラムルー管弦楽団によってオーケストラ初演されました。指揮はカミーユ・シュヴィヤール。
 
つまり今年2020年はその初演からちょうど100年目にあたります。
全音スコアはその2020年8月15日に、シリーズ初の《ラ・ヴァルス》のスコアを発売します。このスコアはオリジナル出版社のデュラン社のスコアを底本として制作してますが、演奏に使われているオーケストラ・パート譜、また比較的新しくヨーロッパで出版されたブライトコプフ・ウント・ヘルテル社の校訂されたスコアなどを資料として、照合・校閲しています。
 
「日本モーリス・ラヴェル友の会」がこの全音の新しいスコアを紹介して下さっています。
 
 
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全音スコア ラヴェル 〈ラ・ヴァルス〉
ISBN978-4-11-892473-1

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


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