木製リコーダーの日常メンテナンス 修理・調整

■使用前

   管を体温程度に温めておくことが重要です。冷たい楽器にいきなり息を吹き込むと、冷やされて息が水滴となり、管の内部に付着して音が出なくなります。特に冬は、管が割れてしまう可能性があるので、冷たい楽器をいきなり吹き始めないようにします。
  • この部分を手のひらで温めます。
  • ブロックラインに沿って頭部管の先端を軽く握ります。

■使用中

   演奏中に管が詰まって音が出なくなることがあります。その場合は、窓に布を軽く当て息を強く吹き込むと、ウィンドウェイの水滴が飛ばされ、音が出るようになります。それでも出ないときは演奏を止め、乾燥させます。
  • 窓に布を軽くあてます。
  • 窓に指を突っ込む方法は、ラビウムが壊れることがあるので絶対に行わないでください。

■使用後

   木製のリコーダーの場合は、内部を柔らかい吸湿性の良い布で丁寧に拭き、なるべくケースに入れず自然乾燥させます。プラスチック製のリコーダーも、内部をよく拭いておきます。

●頭部管の水気を拭う作業

  • 1.掃除棒の先端の穴に乾いた布を通します。
  • 2.棒の先端を覆うように布を巻きつけます。
  • 3.布を巻き終わったところ。
  • 4.布を巻いた掃除棒を菅の内部に入れ、水分を拭います。
  • 5.外側についた汗などを拭き取ります。
  • 6.風通しの良いところで自然乾燥させます。

■保管方法

◎掃除棒で管内の水分を拭き取りましょう。
◎ジョイントを抜いておきましょう。ジョイントのある木製リコーダーは、ジョイントした状態のままだと、ほぼ例外なく収縮が起こってしまい、音程のバランスが変化してしまいます。
◎完全に乾いてからケースに入れましょう。
◎ケースに入れない場合は、風通しの良い場所に置いておきましょう。スタンドに立てる場合には、倒れたりしないように安定した場所に設置しましょう。
◎保管場所の湿度は40%〜60%を目安に管理しましょう。冬は乾燥するので加湿が必要ですが、逆に湿度の高い場所で密封された状態が長く続くとカビの原因になります。楓材のリコーダーは特にカビが生えやすいので気をつけましょう。

■修理・調整

   製作家による修理、または調整が必要となる場合は4つあります。
①音程問題
◎チューニングの際に、10分吹いた後、最低音が標準より10hz低いまたは15hz高い場合。
◎オクターブのバランスがおかしい(広すぎるか狭すぎる)場合。
◎他の楽器と音程が合わない場合。
②キー問題
◎キーの連動反発性が低下した場合(キーを押したらすぐに戻らない)。
③詰まり問題
   詰まりとは、ウィンドウェイに水滴が溜まり音が出にくくなることです。

応急処置

製作家に調整してもらうのがベストだが、自分でできる応急処置として以下の方法があります。
◎お猪口一杯の水に対して一滴の中性洗剤を泡立てずに混ぜ合わせた溶液を用意し、頭部管を逆さに持ち、スポイトを使って、窓の両サイドに流しましょう。
  • 窓の両サイドから中性洗剤の溶液を流し込みます。
  • 頭部管を逆さに持ち、スポイトを使って流し込みます。
④割れ問題
   割れや変形に関する原因のほとんどは、リコーダー製作に入る前の木材の乾燥工程にあります。割れもしくは曲がりという狂いは、木材内部の水分の移動による収縮・膨張が原因で起こるもので、木材の加工をするにあたっては必ずついてまわる問題です。
 

割れに関する注意点

◎長時間の演奏や練習は避けましょう。まだ安定してない材料で製品化してしまったら、長時間の演奏でブロックがたくさん膨張することになり、割れが発生してしまいます。
◎定期的にオイリングしましょう。
◎購入する前に、材質の特性を理解しておきましょう。木管楽器の割れや変形は、木の種類によって生じる頻度と度合いが大きく異なります。木材は未乾燥の状態では内部に水分を多く含んでおり、乾燥が進んでいくうちに徐々に大気中へ水分を放出しますが、次第に一定の含水率に落ち着きます。こうなった木材は比較的安定した状態となり、加工後の狂いを軽減することができます。
 
   購入したリコーダーがどんな乾燥工程によって作られたものなのか知ることは難しいですが、割れを防ぐという意味において長時間の演奏や練習を避け、取り扱いにも十分注意しましょう。

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