和太鼓は、皮を張った太鼓をたたくのではなく、ものを打って情報を伝えるため使われたのが始まりと言われています。皮が張られる太鼓は、既に縄文時代にはあったのではないかと言われています。 その後、お祭り、お囃子、神事に使用したり、戦国時代では、軍の統率をはかるために陣太鼓として利用されました。時代劇の忠臣蔵で太鼓を打つシーンはとても有名です。 複数の太鼓を合わせた現在の組太鼓スタイルが生まれたのはごく最近の事で、現在ではたくさんの和太鼓チームが誕生しています。
和太鼓は、一般的に残響が非常に良く響き、余韻が残る音を特徴とする。和太鼓の構造は、胴の中間が膨らんだ円筒形で、両面もしくは片面に皮が張られている。ドラムなどの他の打楽器と比べて強度は高い。
【皮】 | 和太鼓には、牛の皮が使われています。 ふやかした皮を予め太鼓の形に整え乾燥させます。(仮掛け・仮張りともいう)かたどって乾燥させた皮を、再度打面だけをふやかし、本張りを行います。昔は、クサビと、もじり(縄を巻き上げて締め上げる)で、張っていましたが、現在はジャッキを使用しています。張った後は、音程の調整が出来ない為、皮張りの際に音程を調整する事もあります。 |
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【鋲】 | 本張りした皮が緩まないように胴に打ち付ける釘の事を指します。一般的な釘とは異なり、頭の部分が傘のように広がっています。これは、傘の部分が皮を押さえつけるためにそのような形になっています。見た目も和太鼓らしく立派に見えます。 |
【胴】 | 1本の木をくりぬいた胴が最も一般的です。欅、セン、タモ、シオジなどの広葉樹を使用します。中でも欅が最上級の材料であり、太鼓の胴としては100年以上持ちます。昨今、自然保護の観点から 桶式の胴や、ウレタン素材で製作した太鼓胴も普及しています。また、胴の美しい木目を目立出せるために最近では塗装を行うようになっています。これには、胴の表面を保護する役割もあり、より長くより美しく使用できるようになっています。 |
【カン】 | 太鼓を持つための部品。角座・菊座・カンの3つの部品をまとめて「カン」という言こともあります。宮太鼓1台につき2個付いています。東日本と西日本では取付位置が異なっており、東日本は打面を正面に見た時に、120度の開きになるように、西日本では180度の開きになるように付けられています。太鼓の大きさに合わせ、様々な大きさがあります。2尺以上の、大きな宮太鼓には、四つ付ける事があります。 |
和太鼓の皮は打ち続けていると破れる消耗品です。穴が開いてしまったり、破れてしまったりしたら、皮を張り替えることが出来ます。特に、木をくりぬいた宮太鼓、平太鼓は胴を磨き直すことで新品のようによみがえります。 締太鼓、桶胴太鼓も皮を取り換える事でまた演奏できるようになります。
太鼓と言って思い起こす姿がこの太鼓になります。神社仏閣や太鼓チームで多く目にします。
宮太鼓よりも胴が短い太鼓です。軽く作れるため担いで演奏するスタイルもあります。
締太鼓のように、皮を紐で締め上げるタイプの太鼓で、胴は木の板を張り合わせた桶のようになっています。とても軽いため、担いで演奏するスタイルがとても人気です。
お囃子、能、長唄の伴奏で目にすることが多い太鼓です。他の太鼓と比べ、音程が高いので組太鼓では、リズムを刻む重要な役割を担います。
和楽器のなかでもひときわ存在感のある和太鼓。和太鼓といっても多くの方が想像するのが、社寺祭事でよく目にする「宮太鼓」です。海外でも「TAIKO」として人気とか。2 本のバチがあれば誰でも簡単に音が出せる 宮太鼓は、多くの学校で、日本の伝統楽器に触れる授業などで使用されています。