【ビデオレター】新実徳英《ピアノのためのエチュード─神々への問い─ 第2巻》(12/9四人組コンサート)
12/9(金)に迫った第23回「四人組とその仲間たち」コンサート。
当日初めて発表される新作について、作曲家の新実徳英さんから届いたビデオメッセージと作品解説をご紹介します。
新実徳英《ピアノのためのエチュード─神々への問い─ 第2巻》
- IV.宇宙は拡散している?
- V.宇宙は呼吸する生命体だ
- VI.惑星たちは踊る
作曲者による解説
- ’14年に第1 巻、そして本年は第2 巻、いずれも3 曲(3章)で一つのまとまり=交響的世界を構成すべく考えている。第4巻までの計12 曲とする予定である。
神々への問い、と言う時の神々は、私にとっては森羅万象に宿る神々で、古き日本の八百万神にもつながるもの。その神々に、いわば「宇宙論」を問う、という発想である。
「問い」は宇宙に関する疑問であり、また確信でもあり、そして私のイマジネーションでもある。「問い」への答えはもちろん返ってこないので、自らの内で反復・増幅され、やがて音像を結び、一つの「結果」となる。
エントロピーは増大へと向かうのが熱力学の法則だが、永遠にそうあり続けるのか。「宇宙は生命体だ」(G.スナイダー)という視点は壮大な神秘に目を啓かせてくれる。惑星にもさらに惑星があったりし、各々がおのおのの周期で自転・公転している。まるで宇宙スケールのダイナミックなダンスではないかと想像するのも楽しい。
「エチュード」は自分にとって発想の、そして書く技術のエチュードでもある。より大きな「自由」へ向かって拡がっていきたい。
(新実徳英)