【ビデオレター】猿谷紀郎《夕星(ゆふつづ)のささめき》(12/6四人組コンサート)
12/6(金)に迫った第20回「四人組とその仲間たち」コンサート。
当日初めて発表される新作について、作曲家の猿谷紀郎さんから届いたビデオメッセージと解説をご紹介します。
猿谷紀郎《夕星(ゆふつづ)のささめき》フルートとギターのための
作曲者による解説
- このシリーズの第20 回目の記念すべき節目の際に参加させて頂けることを、とても光栄に思っております。
節とは区切りを表す言葉ですが、音楽ではフシ、旋律を連想させます。古典語では「ツヅ」と呼んだそうで、漢字では、「廿」と書き、既に20という意味をそこに持っているともいわれています。又、古来から人々は、あけの明星、宵の明星を(あけつづ、ゆふつづ)と呼び、生活に根付いた言葉として扱っていました。漠然と、時間、区切りなどを天体を通じて感じていたという証拠なのでしょう。ちなみに琉球では、星を(フシ)と呼んでいたという記述もあります。
記紀神話においても、「ツツ」の名のつく神として、磐筒之男命(イワツツノヲノミコト)がありますが、これはイザナミノミコトの生んだ、火神であるカグツチを、イザナギノミコトが斬る際に、岩から発せられる強烈な火花とともに生まれた神といわれていますが、火石と書いて「ホシ」と読み、星を表したという説もこの神話がよりどころになっているようです。
単に節目といっても限りなくいろいろな意味が広がっていきそうですが、今回の作品は、第20回というお祝いの意思も込めて、20の部分が節を織り成し、組み合わされたものとなっております。
(猿谷 紀郎)