【ビデオレター】野平一郎《ヴァイオリン、ヴィオラ》(12/14四人組コンサート)
12/14(金)に迫った第25回「四人組とその仲間たち」コンサート。
当日初めて発表される新作について、作曲家の野平一郎さんから届いたビデオメッセージと作品解説をご紹介します。
野平一郎《ヴァイオリン、ヴィオラ》
- 演奏:松野弘明(vn)、篠﨑友美(vla)
演奏所要時間:約8~9分
作曲者による解説
- ヴァイオリンとヴィオラの二重奏。2018年10-11月に作曲。ここ2-3年の間に作曲した弦楽器を含んだ作品:チェロとピアノのための「触知できない響き」(2016)、ヴァイオリンとサクソフォンの二重協奏曲「2つの顔」(2017)、チェロと太棹三味線のための「もつれ」(2018)などで展開している複数のアイディアを用いながら、1つの流れを形作っている。2つの楽器はほぼ同時に動き、その2つのラインは、不規則に絡み合いもつれて行く。ハーモニックス音と通常の音とがランダムに混ざり合い、何か明確ではない触知不能な響きの肌触りを求めて行く。またしばしば両者は同じ音程から出発し、それが歪んで行くことで、1つの響きが多層なものへと変化する。また多くの箇所で、開放弦の響きに特に注目し展開しようと試みている。初演を快諾してくれた松野弘明さんと篠﨑友美さんにこの場を借りて感謝の意を表する。篠﨑さんは「ヴィオラの園」(2013)の、また松野さんは前記の「2つの顔」をはじめ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための「三重協奏曲」(2013)ほか多くの作品の初演に関わってくれている。
(野平一郎)