【ビデオレター】西村 朗《極光 トランペットとピアノのための》(11/30四人組コンサート)
11/30(火)に迫った第27回「四人組とその仲間たち」コンサート。
当日初めて発表される新作について、作曲家の西村朗さんから届いたビデオメッセージと作品解説をご紹介します。
西村 朗《極光 トランペットとピアノのための》
- 演奏:菊本和昭(tp)、新居由佳梨(pf)
演奏所要時間:約13分
作曲者による解説
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ここにいう極光とは、地球北半球の高緯度極域の大気圏に発生するオーロラのこと。作曲者の非科学的なイメージでは、オーロラは、太陽風の光のプラズマが昼の側の地球に当たった後、地球の裏側(夜)に回り込んで発光する、いわば太陽風の残光である。昼側の地球は青く輝き、夜側の残光は超現実的で神秘的な多色の光の帯となって大気圏に揺らめく。
この作品は、そのような現象を巡っての幻想曲であり、地球大気圏と周辺宇宙空間の環境が保たれることを願う小品でもある。
トランペットは輝かしい音色で、太陽風の歌を奏する。ピアノはここでは、多数の金属弦が昼と夜の大気圏の輝きとそのうねりを表現する鍵盤打楽器である。
曲はNHK交響楽団首席奏者菊本和昭さんに捧げられている。菊本さんの美しい響きと艶やかな歌い回しに作曲者は熱く魅了されてきた。菊本さんと、菊本さんとの共演を重ねられているピアニスト新居由佳梨さんによって初演されることを大変嬉しく思う。
演奏時間は13分程度。
(西村朗)