【ビデオレター】鷹羽弘晃《ガンマ・コレクション 2人の奏者のための》(11/30四人組コンサート)
11/30(火)に迫った第27回「四人組とその仲間たち」コンサート。
当日初めて発表される新作について、作曲家の鷹羽弘晃さんから届いたビデオメッセージと作品解説をご紹介します。
鷹羽弘晃《ガンマ・コレクション 2人の奏者のための》
- 演奏:望月豪(mdr)、山田岳(gt)
演奏所要時間:約8分
作曲者による解説
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「四人組とその仲間たち」は、新曲が誕生し世に出ていく瞬間を作曲家と共に会場全体で見守るような高揚感があり、私も学生時代からたくさん刺激を受けて来ました。
今回、作曲者として参加させていただき感無量です。
題名は「ガンマ補正」と呼ばれる映像をディスプレイに映す時の明るさの補正処理のことです。
明暗が補正処理によって少しずつ移り変わっていく様子に着想し、2つの楽器の音遊びを試みました。
マンドリンとギターは共に弦を弾く楽器で、繊細でありながらも音を発する原理がそのまま楽器になったかのような、音の根源を感じさせる響きが魅力です。
しかし両者にはマンドリンが複弦(2本ずつ同じ音でチューニングされた弦を同時に弾く)なのに対し、ギターは単弦であるという違いがあります。
その音色の差異に注目して音を追っているうちに、音の「見え方」が変わり、気がついたらずいぶん遠くに来ていた、というようなイメージで書き進みました。この曲はマンドリンとギター以外の楽器の組み合わせでも演奏することが可能です。今回、いつも共に音を楽しんでいる仲間の豪さんと岳さんによる初演という夢がかない、幸せです。
(鷹羽弘晃)