【ビデオレター】中村ありす《風の門》(12/9四人組コンサート)
12/9(金)に迫った第23回「四人組とその仲間たち」コンサート。
当日初めて発表される新作について、今年のゲスト作曲家である中村ありすさんから届いたビデオメッセージと作品解説をご紹介します。
中村ありす《風の門》アルト・サクソフォンとピアノのために
- 演奏:須川展也(sax) 羽石道代(pf)
演奏所要時間:約14分
作曲者による解説
- タイの古代医学において、人体は土界・水界・風界・火界の4要素から成り立ち、このバランスが整ってこそ健康だと考えられていました。
そして、その精神を学んだ医師たちは ①マッサージ ②サムンプライ(自然の薬によるセラピー) ③ルーシーダットン (ヨガの様な自発的な動きによって体を整える)といった、3つのアプローチにより治療を施します。
Sax.とPianoの音色を最大限に彩り、エネルギーを与えるために、私はこれらの医学的アプローチにヒントを得て、作品を3セクションに分けました。
1: Wind Channel — Sax. Soloは「マッサージ」にインスピレーションを受けています。人の手によるエネルギーの伝達。なお、曲全体のタイトルでもある《風の門》= ”Wind channel”とは、足の付け根にあるポイントで、こちらを35秒間位おすと全身に新鮮な血液が巡ります。
2: Hua Phlai —「フアプライ」はサムンプライで使うハーブの名前。薬効だけでなく、オレンジ風の清涼感あふれるアロマに癒されます。聴覚を超え、嗅覚からも感じられる様な柔らかな音の世界を目指しました。
3: Rew-Sii Dat-ton − リズムを主体に展開していく音楽。Sax.のスラップタンギングからはじまる、全体の核となるパルスは「心臓の鼓動」をイメージしています。
(中村ありす)