作曲家・作品(C&R)

【ビデオレター】山本純ノ介《新律呂二重抄》(12/5四人組コンサート)

更新日:2014年11月21日

12/5(金)に迫った第21回「四人組とその仲間たち」コンサート。 当日初めて発表される新作について、作曲家の山本純ノ介さんから届いたビデオメッセージと作品解説をご紹介します。


山本純ノ介《新律呂二重抄 (しんりつりょにじゅうしょう)》ヴァイオリンとピアノのための

演奏:若林暢(Vn)、山本きよみ(Pf)
演奏所要時間:約12分

作曲者による解説

昨年大きな交響作品と交響コラヴォレーションの初演をすませ、自分の気持ちの中で一段落つき、次は「ヴァイオリン」。アマティ、ストラド、グアルネリ等、クレモナの達人が数多くのヴァイオリンの名器を輩出したが、この族は、プロトタイプのような時代が存在せず、突然華やかな名器の時代を迎える。勿論、ガンバ属は様々変遷を重ねていたのだが、ヴァイオリンにはそのような形跡が見られずはじめから「スター」の位置を占めるようになる。この楽器は天才ということ。現在でも弦楽器の王様で管弦楽でもコンサートマスターを務める。当時の日本で「音楽」はどのように研究されていたか調べたところ、中根元圭(1662〜1733)なる江戸時代中期の和算、天文家がいて、ピタゴラスのように音楽理論にも長けていた。雅楽や俗楽の音階を研究し現在の十二音のように、オクターブを十二に平均した「律原発揮(りつげんほっき)」を著した。本日の曲の着想はここにあります。バッハ(1685〜1750)と重なる時代に日本でも十二音に着目した学者がいた。そこに自分が生きていれば、ストラドがあれば、響かせる旋律はこれだ、と想は巡った。構成といった感覚が現代曲でも体得できれば、無調でもソナタ形式ABAは極論すればAとBが対比する二部に凝縮される。その辺りも考慮し、この曲は「現代語法」や、「素数」を作曲に取り入れた中間部、その両脇は自由な旋律の楽想を中心としたABの対比から成る。徳川吉宗の頃に活躍した中根元圭へ想いを込め、時空を交錯するように音を紡いだ。そして「古くて新しい」名として命名致した。
律(りつ)呂(りょ)抄(しょう)等は西洋音楽のそれぞれ、リズム、旋法・音程、曲といった意味ですが、本日ご清聴頂ければ、明らかに西洋のそれらの印象とは異なることがお判り頂けるのではないか。
最後に委嘱を頂戴した、全音楽出版社様に敬意を表すとともに、出版の労をお願いすることとなり重ねて御礼を申し上げます。

(山本純ノ介)
コンサートの開催日時等はこちら

レンタル楽譜お問い合わせ

(株)全音楽譜出版社
出版部 レンタル楽譜係
〒161-0034
東京都新宿区上落合2-13-3
TEL.03-3227-6283
FAX.03-3227-6288
hirelibrary@zen-on.co.jp

お申し込み方法はこちらをご覧ください。

  • 四人組コンサート
  • Facebookページ
  • 演奏会カレンダー
  • 四人組コンサート
  • 作曲家別カタログ
  • レンタル楽譜
  • 著作権&ライセンス
  • ワイズ・ミュージック・グループ
  • ハチャトゥリャン
  • 吹奏楽用レンタル楽譜 小長谷 宗一 コレクション
  • オリンピックマーチ

トップへもどる