【ビデオレター】新実徳英《ピアノのためのエチュード─神々への問い─ 第3巻》(12/8四人組コンサート)
12/8(金)に迫った第24回「四人組とその仲間たち」コンサート。
当日初めて発表される新作について、作曲家の新実徳英さんから届いたビデオメッセージと作品解説をご紹介します。
新実徳英《ピアノのためのエチュード─神々への問い─ 第3巻》
- VII.宇宙は切れぎれの余韻でできている?
- VIII.万物は流転する、神よあなたもですか?
- IX.ビッグバンの直前はどんなだった?
作曲者による解説
- VII. 何もない宇宙空間を「そこにあった何かの余韻」のように感じることがある。この曲では、一つの音群の余韻から和音が生まれ、また次の音群から和音が生まれる…。いわば生命体の細胞が増殖していくように音から音が生まれていく。
VIII. 「万物は流転する」の「流転」を、ワルツの語源である独語のwaltzen (回転する)に読み換え、この曲では「折り重なる3拍子の糸」という基本概念に結びついた。全体は大小の17の部分からなる、一種の変奏曲といえるだろう。
IX. この宇宙が始まったビックバン以前にはなにもないし、時間もない。では一体何だったのか。「何かがギッシリと詰まった状態」との説明は正しいのか。この曲で5個(ときに6個)の連続する半音はこの「ギッシリ」である。それらが、様々に「態」を変えていくのは、万華鏡が同じ材料で色彩・模様を次々に変えていくのに似ているかもしれない。7つの部分から成る。
BEE・S(Es)CHBEの音列がデペイズマンの如く埋め込まれている。
(新実徳英)