【ビデオレター】池辺晋一郎《ストラータX》(12/5四人組コンサート)
12/5(金)に迫った第21回「四人組とその仲間たち」コンサート。
当日初めて発表される新作について、作曲家の池辺晋一郎さんから届いたビデオメッセージと作品解説をご紹介します。
池辺晋一郎《ストラータX》ファゴットとチェロのために
- 演奏:長哲也(Fg)、多井智紀(Vc)
演奏所要時間:約7分
作曲者による解説
- 音域が近接している管楽器と弦楽器のデュオ。この組み合わせの曲は、モーツァルトのK292とヒンデミットの小品くらいしか思い当たらない。にもかかわらずこの編成を選んだのは、僕がこの「ストラータ」と並行して同じ楽器二人による「バイヴァランス」というシリーズを書いてきているからだ。すなわち、あたかも「バイヴァランス」のような「ストラータ」を書いてみたいと思ったのである。ファゴットとチェロの通念の外で書きたいとも願った。
「ストラータ」は地層の意(複数)。音域を地層になぞらえての発想。都響の若き首席・長哲也君と、「ストラータⅧ」(VnとVc・2009)ですばらしい初演及び幾度もの再演を繰り返してくれている多井智紀君、二人の存在が、僕の原動力になった。付記すれば、この曲と並行して書いているのはファゴット・ソロの作品。長君の委嘱で、来年6月初演予定である。前記「バイヴァランス」もこの「ストラータ」も、10曲に達した。次のシリーズを考える時期かな、とも感じている。
(池辺 晋一郎)