【ビデオレター】酒井健治《エーテル幻想》(12/8四人組コンサート)
12/8(金)に迫った第24回「四人組とその仲間たち」コンサート。
当日初めて発表される新作について、今年のゲスト作曲家である酒井健治さんから届いたビデオメッセージと作品解説をご紹介します。
酒井健治《エーテル幻想》ギター•ソロのための
作曲者による解説
- この作品は今夜初演するギタリストの鈴木大介氏と綿密な協働作業によって誕生した。僕にとってギターソロのためのデビュー作であり、その機会を鈴木さんと分かち合えた事に感謝したいと思う。
タイトルにある「エーテル」は神智学におけるエーテル体という概念から採用した。活力体とも訳されるこの言葉は体にオーラが宿る様を表し、僕がクラシックの公演で凄い演奏を聴いた時に音楽家からオーラが発せられ、紗がかかった様な視界になるという不思議な体験をする事が稀にあるのだが、まさにそういう状態を喚起する様な作品をと思い書いたのである。
作品の書法としては当然イメージ先行で書いた訳ではなく、厳密に音楽書法から導き出した特殊な調弦から発生する和声のシーケンス、またそこから導き出した旋法によってほぼ全曲が統一されている。それと同時に幾つかの特殊奏法が本来の僕が普段から関心を持っている技巧性、音色の多様性と混じり合い、作品の冒頭からコーダまで絶えず凝縮した集中力を要する作品となった。
この作品は鈴木大介氏に献呈されている。
(酒井健治)