【ビデオレター】金子仁美《味覚・嗅覚─基本編─》(12/9四人組コンサート)
12/9(金)に迫った第23回「四人組とその仲間たち」コンサート。
当日初めて発表される新作について、作曲家の金子仁美さんから届いたビデオメッセージと作品解説をご紹介します。
金子仁美《味覚・嗅覚─基本編─》2本のギターのための
- 演奏:鈴木大介(gt)、大萩康司(gt)
演奏所要時間:約11分
作曲者による解説
- 味覚と嗅覚、食を考えれば対で捉えることも多い五感であるが、味覚は舌が対象に触れて知覚する感覚、嗅覚は空気を通して知覚する感覚、という違いがありそうだ。
クラシックギターは、弦に指を触れることで聴き手に音の味を伝え、それは空気を伝わって空間に柔らかく鳴り響く余韻の香りを届ける。
ギターの魅力と、食への興味が重なり合い、この夏は楽しい構想の時を過ごした。味覚の成分である5基本味を調べ、その特徴を音像とした「酸味」「甘味」「塩味」「苦味」「旨味」という5つの小品。この構想には、実はまだまだ先がある。基本味だけで物足りないのは誰もが思うこと。今後の続編では、5基本味はさまざまに混ざり合い、さまざまなメニューとなって味覚と嗅覚を刺激する。現実と非現実が共存し、豊かでグロテスクな食卓を作るのだ。今宵は基本味にて、まずは味覚の確認といたしましょう。
(金子仁美)