【ビデオレター】金子仁美《歌をうたい…(II)》(12/8四人組コンサート)
12/8(金)に迫った第24回「四人組とその仲間たち」コンサート。
当日初めて発表される新作について、作曲家の金子仁美さんから届いたビデオメッセージと作品解説をご紹介します。
金子仁美《歌をうたい…(II)》リコーダーのための
作曲者による解説
- «Raise a song… »は、「異なる言語(異なる文化)」を超えて人々が尊重し合う、という今さら、いや今まさに考えなければならない問題に、私が近年追求している作曲法からアプローチした作品です。「異なる言語(異なる文化)」の源となる、人それぞれの「母語」をフォルマント解析し、その特徴を作品全体の中に要素として織り込んでいます。
テキストには、上記のような問題意識から、世界でもっとも多くの言語に翻訳されている聖書を選んでいます(旧約聖書「詩篇」第81篇「歌をうたい、鼓を打て。良い音の琴と立琴とをかきならせ」)。
世界的リコーダー奏者鈴木俊哉さんの母語である日本語による詩篇第81編を科学的に分析し、日本語特有のリズム、抑揚をイメージからではなく実態として作品全体に張り巡らせる試み―それが本日初演される「歌をうたい…(II)」です。
実態からこそ滲み出る祈り、叫び、喜び、苦しみ…。難しい取り組みでしたが、圧倒的な表現力を持つ鈴木俊哉さんのリコーダーが、この構想、願いを音にしてくださると確信しています。
(金子仁美)