【ビデオレター】鈴木純明《ゲヴュルツヴォルフィー?!》(12/4四人組コンサート)
12/4(金)に迫った第22回「四人組とその仲間たち」コンサート。
当日初めて発表される新作について、今年のゲスト作曲家である鈴木純明さんから届いたビデオメッセージと作品解説をご紹介します。
鈴木純明《ゲヴュルツヴォルフィー?!》
- 演奏:クァルテット・エクセルシオ
演奏所要時間:約12分
作曲者による解説
- この作品は私の近作から、《エピソードII》(ヴァイオリンとピアノのための、2009年)と《ヴォルフィエド》(サクソフォン独奏とホルン、打楽器、弦楽五重奏のための、2015年)を素材としている。それは「episode」を同じ接頭語で始まる「épice(仏)=香辛料」に変換、さらに独語訳した「Gewürz」に、モーツァルトのヴォルフガンクの愛称である「Wolfie」を足した、風変わりなタイトルの造語ともなっている。《ヴォルフィエド》では、モーツァルトのホルン協奏曲第2番K417が借用されたが、その「狩り」のイメージから(ホルンという楽器は、1650年頃のフランスの狩猟用ラッパに由来する)、今回の作品ではさらに、弦楽四重奏曲第17番K458《狩》が登場する。私は留学時代、フランスのTVチャンネル「フランス2」で、毎週日曜日の深夜に放映されていた狩猟専門番組『Chasseur de France(フランスの狩人)』を観るのを楽しみにしていた。この作品には、森を悠々と走り回る狩猟犬のイメージ、またモーツァルトの音楽から私が思い描く、ヨーロッパののどかな田園風景が反映されているかも知れない。
(鈴木純明)