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【曲目紹介(その4)】11/30(金)「四人組とその仲間たち」コンサート西村 朗《ルドラ》ユーフォニアムとピアノのための
全曲が世界初演の「四人組とその仲間たち」コンサート。
当日初めて発表される新作について、少しだけその内容をお知らせします。
第4弾は西村朗さんの新作についてです。
西村 朗《ルドラ》 ユーフォニアムとピアノのための
- 演奏:外囿 祥一郎(euph)、山田 武彦(pft)
演奏所要時間:約13分
作曲者による解説
- 今年の「四人組」コンサートのテーマ楽器が任意の金管と決まった時、それならば、せっかくのチャンスなのでこれまで自分にとってほとんど未知の楽器であったユーフォニアムの曲を書いてみたいと考えた。そして同時にそれを世界的な名手である外囿祥一郎さんに捧げ、初演もお願いしたいと思った。幸い外囿さんの快諾を得られ、ピアノでの共演は、かねてよりその卓越した音楽性と創造的表現力に魅了され続けてきた山田武彦さんにお願いすることが出来た。
作曲にあたり、最上級者用の練習曲集などの譜面を通して楽器の勉強を始めてみると、そこに備わった機動力や広い音域等において、ユーフォニアムが持つきわめて優秀な性能が分かって来た。そこで、その性能を自分なりに思いっきり駆使して作曲を試みることにした。結果、かくのごとき難曲となった。
タイトルのルドラは、ヒンドゥー教三大神のひとりシヴァと同一視されることもある破壊と再生の神であり、その名前の意味は「咆吼する、泣き叫ぶ」である。これはすなわち南アジアにおける強烈な暴風雨を司る神であり、大気を揺るがし破壊するとともに五穀の豊穣をももたらす神でもある。
この曲は大気の大流を司るルドラ神への賛歌であり、曲の最後にはニ短調の短音形が反復断奏される祈祷の楽句が現れる。
(西村 朗)