
I. 旅のはじまり
かもめからの招待状
浜辺にすわって海と空と小さな舟を眺めていたら、
白いかもめのカップルが、仲良くあいさつにきたっけ。
あなたたちに誘われたら、またあの浜辺に行ってみたいな。
白いかもめのカップルが、仲良くあいさつにきたっけ。
あなたたちに誘われたら、またあの浜辺に行ってみたいな。
ぶらぶーらの地図
少しだけワクワクして、少しだけ可笑しくて
少しだけ尻込みして、少しだけ勇気出して、
少しだけときめく。今日も。
少しだけ尻込みして、少しだけ勇気出して、
少しだけときめく。今日も。
胸ポケットに青いコンパス
道に迷ったときは、まず胸に手をあててみる。
とくとく、と、鼓動が応えてくれる。
世界中どこにでも行ける磁石が、ここに入っている。
とくとく、と、鼓動が応えてくれる。
世界中どこにでも行ける磁石が、ここに入っている。
星の香り、風の色
星に香りはない。風に色はない。
でも、それを感じさせてくれるのが、
旅、なんだ。
でも、それを感じさせてくれるのが、
旅、なんだ。
ボーダーソックスで行こう!
疲れたときも、へこんだときも、
とっておきのアイテムさえあれば、平気平気!
元気百倍で、さぁ、出かけよう!
とっておきのアイテムさえあれば、平気平気!
元気百倍で、さぁ、出かけよう!
いちご味キャンデー 〜たった一粒の想い出〜
II. もうすぐ発車ベル
晴れたら海辺で
抜けるような青い空。ねえ、どこへ行く?
そりゃ海辺だろ。え? 歩くの? 座るの? 泳ぐの?
きみの好きなようにしたらいいさって、白い歯が笑うんだ。
そりゃ海辺だろ。え? 歩くの? 座るの? 泳ぐの?
きみの好きなようにしたらいいさって、白い歯が笑うんだ。
ステーション・カフェ
狭くて、騒々しくて、ほこりっぽい。
活動的なのにセンチメンタル。ビジネスライクなのにノスタルジック。
ホットドックとコーヒーお願い! おつり、急いでね!
活動的なのにセンチメンタル。ビジネスライクなのにノスタルジック。
ホットドックとコーヒーお願い! おつり、急いでね!
トランクに音符を詰めて
旅に持っていくものは何?
お気に入りの靴、お気に入りの帽子、お気に入りのメモ帳
そして、お気に入りの音符。
お気に入りの靴、お気に入りの帽子、お気に入りのメモ帳
そして、お気に入りの音符。
ミソサザイ・モノローグ
小さな鳥は、何をささやいているんだろう。
ちょっとしたジョーク? それともいつもの愚痴話?
たまには、私との別れを惜しみなさいよ。
ちょっとしたジョーク? それともいつもの愚痴話?
たまには、私との別れを惜しみなさいよ。
朝もやエクスプレス
III. スニーカーとスケッチブック
赤いチェックのテーブルクロス
テラスのあるレストランは、いつも満員。
ときどき注文を取るのも忘れるくらい大忙し。
でも可愛いテーブルクロスが、にっこり笑って迎えてくれる。
ときどき注文を取るのも忘れるくらい大忙し。
でも可愛いテーブルクロスが、にっこり笑って迎えてくれる。
桟橋に降る暖かな雨
いつの季節だったろう。あの暖かい日の温かな雨は。
ただただ静かで、ただただ優しかったっけ。
微笑みも涙も、そっと包んでくれたっけ。
ただただ静かで、ただただ優しかったっけ。
微笑みも涙も、そっと包んでくれたっけ。
少女に時計台で出逢った
華奢なあの娘はエキゾチックな顔立ちで
はにかみながらほほえんでくれたっけ。
名前を聞きたいと思ったのに、風のように去ってしまった。
はにかみながらほほえんでくれたっけ。
名前を聞きたいと思ったのに、風のように去ってしまった。
グレイブラウンネズミキツネザル
どうやらマダガスカルに棲む珍種らしい。
灰色なのか茶色なのか、ネズミなのかキツネなのかサルなのか。
なにしろ、珍種らしい。
灰色なのか茶色なのか、ネズミなのかキツネなのかサルなのか。
なにしろ、珍種らしい。
アガサ・ホテルの昼下がり
優雅なホテルの午後。お茶もいいしお昼寝もいい。
ロビーを行き交う見知らぬ人々を眺めるのもいい。
くつろいでいるのに旅気分なんて、素敵。
ロビーを行き交う見知らぬ人々を眺めるのもいい。
くつろいでいるのに旅気分なんて、素敵。
窓辺にのこした小さな想い
陽射しに包まれながらカーテンが揺らめく。
花びらがそっと散る。
迷いも希望も残していくから、私のことも忘れないで。
花びらがそっと散る。
迷いも希望も残していくから、私のことも忘れないで。
街角マルシェ
お魚もあるし花もある。野菜もあるし布もある。
人ごみの中で、ちっちゃな落とし物をした。
「これ、あなたの?」ちっちゃな出逢いを拾った。
人ごみの中で、ちっちゃな落とし物をした。
「これ、あなたの?」ちっちゃな出逢いを拾った。
夕陽に浮かぶ桟橋
水面が、きらきらとかがやいていた。
桟橋も、きらきらと輝いていた。
きっと雨に濡れたからなのね、暖かくて温かな雨に。
桟橋も、きらきらと輝いていた。
きっと雨に濡れたからなのね、暖かくて温かな雨に。
世界で一番幸せな島
そこの人たちは歌っている、夜明けから。
そこの人たちは踊っている、裸足で。
そこの人たちは笑っている、みんなで。
そこの人たちは踊っている、裸足で。
そこの人たちは笑っている、みんなで。
塔でまどろむ午後
IV. まだ見ぬ夢、あすの想い出
グッビオの雑貨工房
ゆるやかな石畳を下り、赤いシェードを目印に角を曲がる。
街灯の下、かすかに見える金文字の看板。
散歩と言いながら、また今日も来てしまったね。
街灯の下、かすかに見える金文字の看板。
散歩と言いながら、また今日も来てしまったね。
月明かりの湖水
さざ波に幾千ものきらめきが映る。
過去の憧れ、未来の想い出。夢のような夢。
頬を撫でるのは、風? それとも光?
過去の憧れ、未来の想い出。夢のような夢。
頬を撫でるのは、風? それとも光?
薄紅色の回廊
その古い街の春色の回廊には、何かが宿っている。
振り返ると隠れる、見つめると消える。
でも、生き生きと、そこに、何かが宿っている。
振り返ると隠れる、見つめると消える。
でも、生き生きと、そこに、何かが宿っている。
ニンナナンナ・ディ・ブレーシャ
噴水のある広場、狭い路地、石の階段。
そこここに染み込んでいる不思議な声に耳を澄ます。
通りすがりの旅人なのに、なぜあの歌が懐かしいのだろう。
そこここに染み込んでいる不思議な声に耳を澄ます。
通りすがりの旅人なのに、なぜあの歌が懐かしいのだろう。
システィーナ幻想