楽譜

ショパン ナショナル・エディション日本語版プロジェクトについて

更新日:2022年2月22日

ショパン ナショナル・エディション日本語版プロジェクトについて
2022年2月22日
昨年より発刊を開始した「ショパン ナショナル・エディション日本語版」シリーズに関し、一部SNS等で歪曲された批判が発信されており、利用者のみなさまの困惑を招く事態となっております。当社としましてはこの事態をたいへん遺憾に思っており、対応に苦慮しているところでございますが、まずはみなさまに、本プロジェクトの方針や作業のプロセスについてご説明いたします。
1. 概要
  ショパン ナショナル・エディション日本語版プロジェクト(以下、本プロジェクトと表記)は、ポーランドのPolskie Wydawnictwo Muzyczne SA(ポーランド音楽出版社。以下、PWM社と表記)より出版されているナショナル・エディションについて、同社より当社がライセンス契約を受け、その解説部分や脚注部分を日本語に翻訳した版を制作・出版するプロジェクトです。楽譜部分は、PWM社の版面をそのまま使用しているため、原書と同じ内容です。
  PWM社と当社は、つねに密に連絡を取り合い、あらゆる方針について協議や合意を得たうえで、協同で本プロジェクトを進めております。
  多くの協議を重ねることにより、PWM社と当社は、つねにより良い方法を模索しながら本プロジェクトに臨んでおります。もしPWM社で気づいた点があった場合は、当社へ直接連絡をもらう体制を整えています。当社は、PWM社より指摘を受けた事項について、真摯に対応しています。
2. 本プロジェクトにおける監修者と翻訳者
  ナショナル・エディション日本語版をできるかぎり早く皆さまへお届けするため、本プロジェクトでは複数の翻訳者に依頼し、各巻ごとに作業を進めていただいております。さまざまな翻訳上の意見を集約することで偏りをなくし、よりよい翻訳文にするためにも、この複数人体制を採っています。
  翻訳者は、自身の担当する巻の解説部分と脚注部分をポーランド語の原書の最新版から日本語に翻訳し、基礎となる原稿を作ります。なお、訳者の原稿における文章の抜けや文意の誤読を防ぐため、担当外の翻訳者によるダブルチェックやトリプルチェックも実施しております。
  監修者は、シリーズ全体を見渡し、日本語表現を整えます。直訳することがわかりやすい日本語に繋がるとは限りませんので、監修者はユーザーのみなさまにとってよりわかりやすい言葉や表現になるよう、また各巻ごとの不整合が生じないよう目を配り、調整をおこないます。たとえば、訳者の原稿のなかに日本語の文章として不自然あるいは解釈の幅が生じるような箇所があった場合は、翻訳者との協議をふまえて、その文意を汲み取ってより自然で読みやすい文章に整えたり、同じポーランド語の単語はなるべく同じ訳語に統一したりといったことをおこないます。
  以上の必要性から、翻訳者には、監修者によって自身の原稿に手が加えられることをあらかじめ承知のうえで、本プロジェクトにご協力いただいています。また、監修者と当社、翻訳者チームの間においても、あらゆる箇所について議論を重ね、もっとも伝わりやすい表現や方針をすり合わせたのちに、各巻を出版しております。
  以上のとおり、当社は慎重に本プロジェクトに取り組んでおります。
2021年11月発行『ノクターン』の検証について
2022年2月22日
  『ノクターン』巻の翻訳者が、PWM社に対し、日本語版の内容についての申し立てをおこなった旨、PWM社より連絡を受けております。現在、PWM社が申し立ての内容を検証しています。検証結果がわかり次第、当ホームページでお知らせいたします。