- 日本語
- ENGLISH
久留智之
HISATOME, Tomoyuki (1955-)
芸術音楽は「世界音楽の時代」に入ったといわれ、現代は様々な出自を持つ音楽が混ざり合っている。そこで久留は非西洋の音楽文化圏の中にある独特の様相に着目する。それらはたとえば民謡特有の発声法やコブシ回し、掛け声、うなりのある調律法、フレキシブルなアンサンブル法などである。西洋芸術音楽ではノイズを伴い非定常的に音色や音勢、音高が変化する音や融通性を多く取り入れた構成法は排除されてきた歴史があるが、それらが使われる文化的背景について考察を行い、そこに必然としてある方法論を探っていく。そこから得られた方法論を洗練させ、もう一度現代の芸術音楽の中に取り戻すことで音楽の時空間を有機的に息づかせようとしている。「生きた楽音」の積極的し取り入れなど民族音楽の中に潜んでいるアニミズム的な要素を復活させることにより、音楽の根源的なパワーの回復を図ろうとしているともいえる。その結果、その音楽は一聴しただけではどの時代のどこの音楽なのかわからないようなものになっているかもしれないが、注意深く聴けば情報化の進む「現代」の音楽であることは明らかである。また久留は常に時代と対峙しようとする姿勢を持ち、地球環境問題や9.11NYテロ、3.11東北大震災などをテーマとした「グリーンコンサーツ」や「21世紀の日本・アジアの子守歌の創造」(京都22世紀クラブ主催)において音楽監督等として長期に関わっている。ヒロシマに現代音楽のアンサンブルH[ákka]を創設し、再生のメッセージを世界に発信する活動や、アートマネージメントを実践的に学ぶグループである「広島大学アートファーム」を立ち上げるなどの活動も行っている。これまでにNHK、全音楽譜出版社、メルボルン作曲家協議会、葵鐘会、合唱音楽の新たな地平実行委員会や内外の著名な演奏家から数多くの委嘱を受けている。 文化庁舞台芸術創作奨励特別賞(管弦楽部門)、第14回PAS打楽器作品コンクール第1位(アメリカ)、トリエステ市賞第2位(イタリア)、神戸国際フルート作品作曲コンクール第2位、ISCM入選(1991スイス、1997韓国、2015 スロヴェニア)、ACL入選(1997フィリピン、2007ニュージーランド)、第43回広島文化賞 (2022 アンサンブルH[ákka]として)など受賞多数。
東京芸術大学大学院作曲科修了(修了作品買い上げ)。同大学院在学中にイタリア政府給費留学生として渡欧。ミラノ G・ヴェルディ音楽院作曲科及び指揮科にて学び、ローマ・アカデミア・聖チェチリア作曲科修了。 広島大学大学院助教授、愛知県立芸術大学教授、名古屋音楽大学特任教授を経て、現在愛知県立芸術大学名誉教授。 アンサンブル・アッカ芸術顧問、日本作曲家協議会会員。作品は全音楽譜出版社、Mieroprint、JFC、マザーアースなどから出版されている。CDには、現代日本の作曲家『メリー・バクテリア・ミュージック 久留智之作品集』フォンテック(FOCD-2563)、『オーガニック・モーションズ 久留智之ギター作品集』(Guit.大坪純平/NIKU-9027)Rec-Lab等がリリースされている。
主要作品 ;森の思想 (Orch),レ・イーゾレ (Orch),チャム(室内Orch),ペックの木~ギヴィング・ツリー(Opera Monologue),エンサラーダ (Sop.Fl.Vla.& Computer generated magnetic tape), 地上にひとつの場所を(Fl,Vn&Guit), クラップ・スラップ・トレンブル(3バリンビン&Fl,Ob,Cl),せむしの笛吹きの歌(Rec) ,トラヴェラーズ(Perc&Pf),オーガニック・モーションズ (Pf),オーガニック・モーションズ II (Fl),オーガニック・モーションズ III (Guit),オーガニック・モーションズ Ⅳ(尺八),バロック・プリーツ(Pf),わかプリーツ(Vn),イトゥリの森の小さな狩人たちの心臓(Mba),ハミング・バード(Mixed-Chor),メッセージ(Ch-Chor),揺の音の数寄(二十絃箏),移りの美学(二面二十絃箏),ピアノ遊び歌(声付き四手ピアノ),女の平和(アンサンブル用朗読劇音楽),猿神(木管五重奏、狂言師),ジョアン(歌芝居)など。
楽器愛好家や音楽教育に携わる方々に幅広い楽器・教材を提供しています。
