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大澤壽人
OSAWA, Hisato (1906-1953)

1906年8月1日兵庫県神戸市に生まれる。関西学院高等商業学部卒業後1930年に渡米。ボストン大学、続いてニューイングランド音楽院でフレデリック・コンヴァースに学ぶ。交響曲・協奏曲・室内楽作品など数多くの演奏会作品に取り組み、ボストン大学卒業時の1933年にはボストン交響楽団(ポップス)を率いて自作《小交響曲》を披露した。同楽団を指揮した初の日本人である。
1934年パリに渡り、ポール・デュカとナディア・ブーランジェに師事。翌年にはコンセール・パドゥルー管弦楽団を自ら指揮して《交響曲第二番》・《ピアノ協奏曲第二番》・歌曲《さくらの声》を発表する。前衛的な作風と緻密な指揮で大成功をおさめるなど、その華麗な経歴は当時の日本人としては稀であった。
1936年に帰国した後は神戸女学院の教壇に立つ。放送用音楽、舞台付随音楽、映画音楽、ジャズ風の協奏曲から校歌に至るまで、幅広いジャンルにおいて多彩な作品を創作した。作曲家・編曲家・指揮者、そしてラジオプロデューサーの役割まで担いながら実力派として活躍。800曲以上を遺し、1953年10月28日に47歳で急逝した。
2003年の代表作CDリリース以降、戦前・戦後の日本洋楽史における重要な作曲家兼指揮者として、その再評価が急速に進んでいる。
主要作品
管弦楽・協奏曲:
小交響曲(1933)、ピアノ協奏曲第一番(1933)、三つの田園楽章(1934)、交響曲第一番(1934)、コントラバス協奏曲(1934)、ピアノ協奏曲第二番(1935)、交響曲第二番(1935)、路地よりの断章(1935)、ヴァイオリン小協奏曲「支那詩」(1936)、交響曲第三番「建国」(1937)、ピアノ協奏曲第三番「神風」(1938)、さくら幻想曲(1946)、河童組曲(1946)、ジャズ変奏曲(1947)、サキソフォーン協奏曲(1947)、ペガサス狂詩曲(1949)、トランペット協奏曲(1950)
室内楽・独奏曲:
チェロ・ソナタ(1932)、ピアノ三重奏曲(1932)、ピアノ五重奏曲(1933)、三つのプレリュード(1933)、ピアノ・ソナチネ(1933)、六つのカプリチェッティ(1934)、小デッサン集(1934)、パターンズ(1934)、丁丑春花三題(1937)
大規模声楽曲・独唱曲:
さくらの声(1935)、秋の歌(1936)、鉄の祈り(1936)、西土(1937)、陣営(1937)、槍持ち(1939)、つばめに託して母の歌える(1939)、海の夜明け(1940)、万民奉祝譜(1940)、ベネディクトス幻想曲(1944)、雲のファンタジア(1947)、あたらしき五月頌(1950)、大佛千二百年祝典譜(1952)
放送・舞台・映画音楽:
山の協奏曲(1936)、鯨の背中(1939)、夢殿観音(1940)、子供風土記(1941)、兵士の独白(1941)、水底の幻灯画(1944)、モデルと若様(1946)、須磨子の恋(1947)、夜の女たち(1948)、キングオブレビュー(1949)、水の精への小夜曲(1950)、シルバー・イメージ(1951)、ABCホームソング(1952-53)、邯鄲(1953)
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