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佐藤聰明
SATOH, Somei (1947.1.19-)
佐藤聰明は1947年仙台に生まれた。母親は藤閻流の師範であり祖母は三絃の教授という家庭現境のため、15歳になるまで西洋音楽と一切の接触をもたずに育った。18歳の頃より西洋音楽に興味をもち独学を始めるが、急速に実験音楽の領域に接近し、1960年代末よりイベンツ、マルチ・メディアの作品を発表し始めた。1971年、後楽園ホールにおいて12時間に及ぶマルチ・メディア・アート・フェステイヴァル“グローバル・ヴィジョン”をプロデュースし、1973年には佐藤にとって初めて五線符で記したピアノとエレクトロニクスによる作品《リタニア》を発表した。1980年、オーケストラ曲《リラ》が芸術祭賞を授賞。1983年にはロックフェラー財団の招きで二ューヨークに一年間滞在した。
佐藤の作品はアメリカを中心に、ヨーロッパ、環太平洋諸国で幅広く受け入れられ演奏されており、日本を代表する作曲家として世界で高い評価を受けている。特にアメリカではポスト・ミニマリズムの旗手として大きな支持を得ていることは特箪される。
また欧米各国のさまざまな音楽祭で作品が委嘱、演奏され、その他にも度重なる個展が催されている。過去十年間にアメリカで催された数々の個展のうち、イメージ・オペラ《聖なる時ヘの旅》(1985) とオペラ・オラトリオ《スターバト・マーテル》(1987) は、ニューヨークで各々一週閻に渡る公演がもたれた。
1997年、コンテンポラリー・ダンスのエイコ・アンド・コマとクロノス・クァルテットのために作曲した《リヴァー》は全米で13回公演され、ニューヨークのネクスト・ウェーヴ・フェステイヴァルにおいて5日間の公演がもたれた。この公演によって、佐藤とクロノス・クアルテットはニューヨーク・ダンス・アンド・パフォーマンス賞を受賞した。
1999年、クルト・マズアとニューヨーク・フィルハーモニックは「ミレニアムヘのメッセージ」と題した特別企画のため、世界の著名な作曲家たち6人に管弦楽曲の委嘱を行った。この記念すべきイベントに、アジアからは佐藤が選ばれ、11 月にそれはニューヨークで初演され、絶賛を博したことは特筆される。
近年では2015年に小栗康平監督・オダギリジョー主演の映画《FOUJITA》や、中国の現代詩人・葉嘉瑛の生涯を扱った中国のドキュメンタリー映画《掬水月在手》(2020年・陳伝興監督)などの音楽も担当。2023年にはデュッセルドルフ交響楽団の委嘱で《Circulation》を、高橋アキの委嘱で《前奏曲》を発表した。
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