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八村義夫
HACHIMURA, Yoshio (1938.10.10-1985.6.15)
東京出身。9歳でヴァイオリンを習い始め、「子供のための音楽教室」で柴田南雄、入野義朗にソルフェージュ、のち松本民之助にピアノと作曲を師事。東京藝術大学卒業(1961)。表現主義とベルクの作風を彷彿とさせる「作品1」《ピアノのためのインプロヴィゼーション》(1957)のあと、《一息ごとに一時間》(1960~61)で、表現主義的色彩を排しながらも、線的な音の重ね合わせによって緊張を持続させる書法を確立。チューブラー・ベルによる長い独奏の冷厳な音響が強烈な印象を与える《星辰譜》(1968~69)以降、情動・衝迫を直接表に出すのではなく、それらを論理性・客観性というフィルターを通して純化したうえで提示するかのような音楽を創作。沈黙と動的なパッセージが鮮烈に対比される《エリキサ》(1973~74)、エネルギーを発散しているようでいながら、同時に極度に凝集しているかのような強靭な音に満ちた《錯乱の論理》(1974~75)は、聴き手にある種のカタルシスをもたらす。桐朋学園大学で長年教鞭を執った(1967~84)のち、がん性腹膜炎により46歳で死去。残した作品は20と寡作であったが、その音楽は今も演奏家も魅了し、再演の機会にも恵まれている。(執筆者: 平野貴俊)
楽器愛好家や音楽教育に携わる方々に幅広い楽器・教材を提供しています。
