META for Piano and Percussion（2021）

佐藤祐介ピアノリサイタルのために同氏からの新作依頼があり、2021年に書いた作品。
2人による楽器を対置させるのではなく、同軸上の扱いによって音響の交差が可能となる状況設定を試みた。楽器本来の固有性を確認するだけでなく、叩く、擦る、弾く、押さえるなどの動作によって双方に侵出しあう時空間を創出するため、特にピアノの持つ可能性を少し拡げてみた。
ピアノはもともと打楽器のカテゴリーに含まれる楽器であり、同一視しても差し支えないように思うのだが、実際は近いようで遠く、とりわけコンサートホールに設置されたピアノ使用の現状には高い壁があり、単純な作業では終わらなかった。
Meta は「後に」「間に」「ともに」「変化して」の意味を含むが、いくつかの条件の中でこの二つの楽器の関係性を考える事が発想の原点にあった。