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糀場富美子KOHJIBA, Tomiko(1952.7.11-)
IZAIHO ~Song of th NORO~ for Violin and Harp(2015)
イザイホー ~ノロのうた~ ヴァイオリンとハープのために
- 楽器編成
- vn, hp
- 演奏時間
- 10’00”
- カテゴリー
- デュエット
- 委嘱
- 篠崎史子
- 初演
- 8 April 2015. Tokyo. Yasuko Otani(vn), Ayako Shinozaki(hp) [Reveised version] 10 September 2022. Fukui. Duo X [ikusa] (Yasutaka Hemmi(vn), Takayo Matsumura(hp))
- 曲目解説
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「イザイホー」とは、琉球王朝に作られた神女組織「祝女(ノロ)」制度を継承し、12年に1度(午年)に沖縄久高島で開催される祭祀のことで、女性の成巫(せいふ)儀礼に相当するものである。30歳から41歳までの女性が、神女(ナンチュ)とよばれる地位になるため、村の祭場の後ろにある奥の森(イザイ)の仮小屋にこもり、その間、祝女(ノロ)の主宰で、神女以上の年齢の女性たちが参加して歌や踊りを伴う神事を行う。
この「イザイホー」は、1978年に開かれたのを最後に中止されている。今ではその祭祀の模様は映像でしか見る事ができないが、本土でみられる神道の巫女の踊りに比べると変化に富んでおり、テンポも緩やかなものからリズミックな速い踊りも含まれていて興味深い。
曲は3つの短い楽章から成り、祭祀の模様と、それを仕切っている祝女のティルル(神歌)に着想を得て作曲した。ヴァイオリンの呪術的な神歌(ティルル)から始まり、新しく巫女となる神女(ナンチュ)たちの興奮をハープの効果音的奏法で表現している。2楽章は、夜の帳に包まれた久高島の海と森の静寂を表現しており、3章冒頭のハープで奏する高音域の八分音符の動きは、今は催されなくなってしまったイザイホーの祭事を惜しむかのように、止まってしまった時の流れを表現する時計のカチカチ音である。祝女(ノロ)に思いを馳せて、呪術的に、思うが侭に演奏していただければ幸いである。
この曲は2015年に篠﨑史子氏(Hp.)の委嘱で作曲し、同年大谷康子氏(Vn.)の共演で初演された。今回、デュオユニットX[iksa]の武生国際音楽祭での再演に際し、曲の一部を改訂した。
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