糀場富美子KOHJIBA, Tomiko(1952.7.11-)

CASTLE OF DUINO for Violoncello Solo(2008)

ドゥイノの城 独奏チェロのための

楽器編成
vc
演奏時間
9’00”
カテゴリー
ソロ
委嘱
全音楽譜出版社
初演
5 December 2008. Tokyo. Dmitry Feygin(vc)
曲目解説
詩人リルケの晩年の代表作として、10編からなる『ドウィノの悲歌』を挙げることができるだろう。タクシス侯爵夫人から詩作の場所としてドゥイノにあった古城を提供されたリルケは、1911年より書き始め、中断を挟みながら10年の歳月を要して書き上げた。
このドゥイノの城はアドリア海に臨む断崖の上に建っていたが、嵐の日にこの断崖で霊感を得たリルケは、一夜のうちに「第一の悲歌」を書き上げ、数日のうちに「第二の悲歌」を、続いて「第三、第十の悲歌」の冒頭部分を書き上げたと言われている。
リルケに素晴らしい霊感を与えたこの城は、残念ながら第一次世界大戦中、砲火によって破壊されてしまった。愛と死、幸福と苦悩…人間たちの営みを静かに見守り、リルケに神との出会いを授けたドゥイノの城。この曲は、断崖に凛として立つドゥイノの城へのオマージュである。なお、出版にあたり、初演時の楽譜の前半部分に手を加えた。

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