中村ありすNAKAMURA, Alice(1982.6.19-)

WIND CHANNEL for Alto Saxophone and Piano(2016)

風の門 アルト・サクソフォンとピアノのために

楽器編成
asax,pf
演奏時間
14’00”
カテゴリー
デュエット
委嘱
全音楽譜出版社
初演
9 December 2016. Tokyo. Nobuya Sugawa(asax), Michiyo Haneishi(pf)
曲目解説
タイの古代医学において、人体は土界・水界・風界・火界の4 要素から成り立ち、このバランスが整ってこそ健康だと考えられていました。
そして、その精神を学んだ医師たちは ①マッサージ ②サムンプライ(自然由来の薬によるセラピー)

③ルーシーダットン(ヨガの様な自発的な動きによって体を整える運動)といった、3 つのアプローチにより治療を施します。

Sax. とPiano、多彩な音色のために。
私はこれらの医学的アプローチにヒントを得て、作品を3 セクションに分けました。

1: Wind Channel ─ Sax. Solo は「マッサージ」にインスピレーションを受けています。人の手によるエネルギーの伝達。なお、曲全体のタイトルでもある《風の門》= “Wind Channel”とは、足の付け根にあるポイントで、こちらを35 秒間位押すと全身に新鮮な血液が巡ります。

2: Hua Phlai —「フアプライ」はサムンプライで使うハーブの名前。薬効だけでなく、オレンジ風の清涼感あふれるアロマに癒されます。聴覚を超え、嗅覚からも感じられる様な柔らかな音の世界を目指しました。

3: Rew-Sii Dat-ton ─リズムを主体に展開していく音楽。Sax. の硬質な低音からはじまる、全体の核となるパルスは「心臓の鼓動」をイメージしています。

初演にご尽力いただきました須川展也先生、羽石道代先生、また、全音楽譜出版社の新居隆行さん、乾 祐子さんはじめ、出版にあたりお世話になりました方々に心より御礼申し上げます。

この作品を師である、故 西村朗先生に捧げます。

楽器愛好家や音楽教育に携わる方々に幅広い楽器・教材を提供しております。

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