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山中千佳子YAMANAKA, Chikako
IN THE FLEETING SPRING for Flute and Piano(2016)
すぎゆく春に フルートとピアノのための
- 楽器編成
- fl,pf
- 演奏時間
- 5’00”
- カテゴリー
- デュエット
- 委嘱
- 山田和樹
- 初演
- 17 March 2017. Kumamoto. Noriko Nishida(fl),Kazuki Yamada(pf)
- 曲目解説
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本作品は、指揮者の山田和樹氏から「叙情的な要素があって口ずさめるような、フルートとピアノのための小品を」という委嘱をいただき、2016 年に生まれました。お話をいただいたのはちょうど春の終わりで、私はそのとき「日本的感性~触覚とずらしの構造~」(佐々木健一 著、中公新書)という本を愛読していました。和歌を紐解くことで日本独自の感性の構造を掘り下げていくこの著は、文章の言葉一つ一つがとても印象深く美しく、またその切り口の多角さから、無数の感嘆を私に与えてくれました。
そのような中で作曲を進めるうちに、詩とも歌詞ともつかぬ散文が脳裏に浮かび、そのまま楽譜の冒頭にことばを記しました。
タイトルの「すぎゆく春に」について、「春」というのは季節のことだけではなく、人生の中のある一時代なのではないか…、懐かしいような甘酸っぱいような、私たちそれぞれの人生の中にある一時代を含んでいるのではないか。
そのように言ってくれた人がおりました。
この曲を手にとって、楽譜を読んでくださる方、演奏してくださる方、お聴きくださる方、それぞれの皆様に、人生の中にある「春」の懐かしみが伝われば大変嬉しく思います。
花冷えの日にも心温まる素敵な演奏をしてくださったフルーティストの西田紀子氏、指揮者(ピアノ)の山田和樹氏に、心から感謝申し上げます。
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