加藤昌則KATOH, Masanori(1972.11.12-)

LANTERN UNDER THE EAVES for Euphonium and Piano(2019)

軒下ランプ ユーフォニアムとピアノのための

I. 記憶/II. 温もり

楽器編成
euph, pf
演奏時間
10’30”
カテゴリー
デュエット
委嘱
サンポートホール高松
初演
25 January 2020. Takamatsu. Ayaka Sato(euph), Masanori Kato(pf)
録音
MYCL-00004
曲目解説
 佐藤采香さんがレッスンからの帰り道に見た、ある家の軒下にホンワカと灯る燈。そこにユーフォニアムの音をイメージしたという佐藤さんご自身の話から、この曲の着想は生まれた。
 私がイメージするそのランプがある家とは、古い日本家屋の、でもしっかりした造りで、ところどころに洋的なデザインもある、きっと由緒ある人が住んでいた佇まい。
 この家や土地は代々受け継がれていて、震災や戦争、様々な歴史的な出来事を経験し、又様々な人々が家の門の前を通り過ぎていっただろうと想像した。
 門戸に垂れ下がるランプは家人の行き帰りの姿や会話、家の前を通り過ぎる人々を長年見つめてきたであろうし、家人の誕生や死も間接的に見てきたであろう。
 そんなことを想像しているうちにランプのぼんやりと、暖かくホンワカしたイメージ以上に、不穏な時代や、ほの暗い夜のランプ自身の不安や神秘を描写したいと思い始めた。そこで思い至った構成が最初の楽章の「記憶(Memories)」、そして燈が灯る家の家族の憩いとして「温もり(Warmth)」という楽章を配置し、2楽章構成の作品にすることにした。
 機能的にも表現的にも非常に優れているユーフォニアムという楽器の特性を生かしつつ、この「軒下ランプ」の物語を、それぞれの想像の世界の中で音楽を通して紡いで欲しい。

楽器愛好家や音楽教育に携わる方々に幅広い楽器・教材を提供しています。

PAGETOP