SIX SCENES FROM A MUSICAL LIFE for Piano Duet（9999）

私にとって連弾作品を書く機会というのは、非常にプライベートなものが多く、それはモーツァルトやシューベルトなどの作曲家の時代と似たような目的で書かれたものだと思う。
「楽興の時」とは著名な音楽作品に使われるタイトルであるが、これらはサロンなどの私的な集まりの場などで披露され、愛聴されることを目的として書かれていた様である。この曲集の個々の作品の発表の場もまさにそうした場であったことや、また曲によっては音楽が日常に寄り添う光景を表し、それらの情景を音の言葉で紡ぐという意味も込めて「楽興の譚（うた）」という造語を仕立てた。