ヤン・ツンシェン(楊 聰賢)YANG, Tsung-Hsien(1952-)

GRIEVING THE EVANESCING for Orchestra(2006)

失われしものへの哀惜 オーケストラのための(傷逝 為管絃樂團)

楽器編成
2(II=picc).2(II=eh).2.2-2.1.0.0-perc:vib/woodblk/tom-t/tamb/SD/TD/BD/tgl/sus.cym/gong/tam-t/qing/timp-hp-str
演奏時間
13’00”
カテゴリー
オーケストラ
初演
17 March 2006. National Center for Traditional Arts (Taiwan). YinQi Symphony Orchestra cond. by Amy Chang
曲目解説
台湾の著名な文学作家・舞鶴(本名:陳國城/1951年生まれ)の作品には、過ぎ去り、消えゆく人や物への、ほのかな哀愁が静かに漂っています。そのような哀しみこそが、人の心に刻まれた、原初の感情なのです。私たちは、失われた人や物を懐かしむだけでなく、それとともに失われていった自分自身の一部も悼んでいるのです。
2006年はモーツァルト生誕250周年でした。二世紀後の台湾に生まれ育った作曲家として、私は音楽史におけるこの絢爛たる魂を偲ぶとともに、失われつつある台湾の芸術の伝統への哀惜の念を抱いています。
私がこの曲の作曲に没頭していた日々、父の健康は少しずつ失われていきました。そして作品が完成したその頃、父は、静謐でありながらも確かな歩みを重ねたその人生を、そっと終えました。父の旅立ちは、私にとって、耳を傾け続けてくれていた人を失ったことを意味するだけでなく、私自身の一部も、連れ去られてしまったのです。
この作品を、最愛の父に捧げます。

楽器愛好家や音楽教育に携わる方々に幅広い楽器・教材を提供しています。

PAGETOP