ヤン・ツンシェン(楊 聰賢)YANG, Tsung-Hsien(1952-)

CONCERTINO PIANISSIMO for Piano and Orchestra (1999)

ピアノ小協奏曲(鋼琴小協奏曲 鋼琴與管絃樂團)

楽器編成
1(=picc).1.1+bcl.1-2.1.1.0-hp-pf-perc(2):vib/xyl/BD/tom-t/gong/sus.cym/tam-t/templeblk/SD/tgl/timp-str, solo pf
演奏時間
17’00”
カテゴリー
オーケストラ
初演
8 December 1999. National Concert Hall (Taiwan), Contemporary Chamber Orchestra Taipei, cond. by Chun-Fung Lee, Hsing-Chwen Giselle Hsin (pf)
曲目解説
静寂な夜は、命をたどるための沈思の世界。そこでは、命はもはや問いでも答えでもなく、ただ静かに歌われるべき、一つの歌となってゆく。私の《ピアノ小協奏曲》は二つの楽章から成り、その情感と表現の根源は、詩人ラビンドラナート・タゴールの以下2編の詩からインスピレーションを受けている。

  いつか薄暗い日の終わりに、太陽が私に最後の別れを告げるこ
 とを私は知っています。その時、羊飼いたちはガジュマルの木の
 下で笛を吹き、牛や羊は川沿いの斜面で草を食み、私の日々は暗
 闇の中に消え去るでしょう。
  私は願っている──旅立つ前に知ることができるようにと。な 
 ぜ大地は私をその胸に呼び寄せたのか。なぜその夜の静けさが星々
 のことを私に語りかけ、なぜその昼の光が私の想いに口づけし、
 花へと咲かせたのか。
  私が去る前に、最後の詩句にもう少しだけとどまり、その旋律
 を完成させることができますように。あなたの顔と、あなたの頭
 上に捧げる花冠を見るために、どうか灯火がともされますように。
・ ・ ・ ・ ・
  主よ、弦が調律されるとき、その痛みはどれほど大きかったこ
 とでしょう。
  どうか、あなたの音楽を始めてください。私がこの痛みを忘れ 
 られるように。そして、美を通して、あなたがあの容赦なき日々
 に込めた思いを感じさせてください。

  去りゆく夜が、名残惜しそうに私の戸口にとどまっている。な
 らば、その夜を歌のなかで見送ろう。
  主よ、あなたの御心を、私の命の弦に注ぎ込んでください。あ
 なたの星々から降りてきた旋律を奏でるために。
(意訳)

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