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酒井健治SAKAI, Kenji(1977.8.6-)
JUPITER HALLUCINATION,for Orchestra(2020)
ジュピターの幻影 オーケストラのための
- 楽器編成
- 2(II=picc).2(II=eh).2(II=s.whistl).2(II=corrugated tube)-2.2.0.0-perc(2)-str(8-6-4-4-2)
- 演奏時間
- 15’00”
- カテゴリー
- オーケストラ
- 委嘱
- オーケストラ・アンサンブル金沢
- 初演
- 27. February 2021,Ishikawa Ongakudo(Kanazawa),Orchestra Ensemble Kanazawa,cond. by Kentaro Kawase
- 曲目解説
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「ジュピターの幻影」は昨年夏に書かれた作品である。コロナ禍中に書かれた事もあり、先行きが不透明な混沌とした社会の様相が直裁に反映された様に思う。
この作品に取り組んでいた時期に、ちょうどモーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」の楽曲分析や管弦楽法の研究をしており、自作に活かそうと考えた。第一楽章の堂々した主題が曲中で時折微睡み、またジュピター音型(音名:c-d-f-e)と呼ばれる、先達の作曲家達が各々の作品で用いた音型も変質する。この作品が持つドラマトゥルギー(ドラマ性)は、クライマックスへ明快に指向するというよりも白昼夢の様に揺れ動く。またモーツァルトの交響曲が様々な音の色彩を伴い、この現代において異化されるのである。
作品の最後で明確なプラガル終止(アーメン終止ともいう)が現れるが、当世が穏やかになる様、祈りを込めて書いたものに他ならない。夢は覚め、ハ長調の余韻のみが残る。もしモーツァルトがこの作品を聴いたらどの様に感じただろうか、そんな思いを馳せつつこの作品を書いた。
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