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酒井健治SAKAI, Kenji(1977.8.6-)
DETUNE,for Wind Orchestra(2019)
デチューン 吹奏楽のための
- 楽器編成
- picc,2fl,ob,Ebcl,3Bbcl,acl,bcl,bn,2asax(I=ssax),tsax,bsax,3tpt,4hrn,2trbn,btrbn,euph,tuba,cb,timp,5perc
- 演奏時間
- 8’00”
- カテゴリー
- 吹奏楽/木管・金管アンサンブル
- 委嘱
- 名古屋フィルハーモニー交響楽団、東京佼成ウインドオーケストラ(共同委嘱)
- 初演
- 21. September 2019,NTK Hall Forest Hall(Nagoya),Nagoya Philharmonic Orchestra,cond. by Takeshi Ooi/5 October 2019,Tokyo Metropolitan Theatre Concert Hall(Tokyo),Tokyo Kosei Wind Orchestra,cond. by Takeshi Ooi
- 録音
- NIPPON COLUMBIA/COCQ-85574
- 曲目解説
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この作品はプロフェッショナル、アマチュアの吹奏楽団体を問わず演奏される事を想定し、ある意味において「教育用」の作品の様相を呈しており、僕が書く作品群の中でも異色の作品である。つまり音楽的な内容は比較的アマチュアにとって把握しやすいけれども、同時に決して浅くはない充実した内容を持たせるという矛盾しやすい難題に取り組んだのである。
実際に吹奏楽において使い古されたマーチのリズムを下地に、ドビュッシーの交響詩「海」の第二楽章「波の戯れ」や、リヒャルト・シュトラウスの「英雄の生涯」より「英雄の敵」で使用されているモチーフの直接的な引用があり、クラシック愛好家の多くが知っているそれらのモチーフが元々の作品とは全く異なる状況で鳴らされ、大多数の人が共有する認識(コンテキスト)が異化する瞬間を目指したのである。そしてこの作品の和声において半音階によるデフォルメ、またオーケストレーションにおいてはフェード・イン/アウトの技法が使用され、前述のコンテキストの件も含めてこの作品のタイトルを「デチューン」(元はチューニングを敢えて僅かにずらし音に厚みを持たせるという意味)と名付けたのである。
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