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池辺晋一郎IKEBE, Shin-ichiro(1943.9.15-)
SYMPHONY No. 11 “Oblivion to Deepen the Shadow”(2023)
シンフォニーXI〈影を深くする忘却〉
- 楽器編成
- 2(II=picc).2(II=eh).2(II=bcl).2-2.2.2.0-timp.perc(2):marac/tam-t/SD/tgl/BD/2sus.cyms/tamb/tbells/mar/glock/wind chime/mokusho/flex-hp-str
- 演奏時間
- 18’00”
- カテゴリー
- オーケストラ
- 委嘱
- 東京オペラシティ文化財団、オーケストラ・アンサンブル金沢(共同委嘱)
- 初演
- 2023. Tokyo. Orchestra Ensemble Kanazawa, cond. by Junichi Hirokami
- 録音
- CAMERATA/CMCD-99089
- 曲目解説
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2013年の「シンフォニーIX」、 2015年の「X」とも、長田弘氏(1939~2015)の詩がモチヴェイションとなっている。この「XI」のサブタイトルも、長田さんの「森のなかの出来事」という詩の一節を使わせてもらった。地球上のあちこちでの戦いや災害、貧困や飢餓…。それらに伴ってしまう「忘却」が今厳しい命題となっていることに、異論を唱える人はいないだろう。忘却が刻一刻と、その影を深くしている。私たちの「幸福」とは、何だろうか…。「IX」でソプラノとバリトンが語り、「Ⅹ」でホルンがそのイントネイションで語った「幸福は何だと思うか」という長田さんの言葉が、この曲の3章でもトロンボーン、トランペットそして最後にヴィオラの独奏で、語られる。ヨーロッパでは「ディエス・イレ」(神の怒りの日)や「ドレスデン・アーメン」(ドイツ・ザクセン州の教会で合唱により歌われ、広まった6音から成る形)のように、歌詞なしで意味が通じる決まった旋律があるが、この「幸福は何だと思うか」は、僕にとってそのような定旋律だと考えている。
僕の傘寿の誕生日におこなわれたコンサートのための、東京オペラシティ文化財団とオーケストラ・アンサンブル金沢による共同委嘱。僕にとって最も親しい管弦楽団であるオーケストラ・アンサンブル金沢と、深い信頼を寄せる広上淳一氏が初演してくれた。CDは、カメラータ。
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