酒井健治SAKAI, Kenji(1977.8.6-)

RITORNELLO IN BLUE,pour trio à vent(2018)

青のリトルネッロ 木管三重奏のための

楽器編成
fl,ob,cl
演奏時間
5’00”
カテゴリー
室内楽(3人以上)、吹奏楽/木管・金管アンサンブル
委嘱
京都フランス音楽アカデミー
初演
30. March 2018,ALTI(Kyoto),Jean Ferrandis(fl),Eric Speller(ob),Florent Héau(cl)
曲目解説
「青のリトルネッロ」は2016年秋にレ・ヴァン・フランセによって初演された木管五重奏のための「青のスパイラル」の姉妹作品であり、その後更に書かれる事になる「青のアンティフォナ」、「青と白で」と一つの連作をなす。ローマ・メディチ荘に滞在当時に書かれた「青のスパイラル」は丘の上にあるメディチ荘から見える雄大に旋回する鳥たちの群れ、またローマ滞在中の日常生活から感化されて書かれた作品である。僕の作曲家としての人生で大きな影響を与えたメディチ滞在から数年が経過した後、どんより曇った冬のパリで当時のローマ生活を想い描きながら「青のリトルネッロ」を書いた。
 上述の経緯のため、この作品にも一連の作品に共通するモチーフが幾つか現れる。冒頭のトゥッティによる強奏は僕がローマに初めて到着した時の衝撃的な印象を表し、階段状に下降するモチーフはメディチ荘からスペイン広場に下りながら歩く様を、そしてローマの荘厳な夕暮れを示す低い音域によるコラール等が演奏される中、それぞれ三つの楽器による技巧的なパッセージが挿入される。この作品における「リトルネッロ」(反復・回想)はソロとトゥッティによる細やかな交代を意味し、文字通りパリからローマへの憧憬、回想そのものとなったのである。

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