2 Mélodies d’après Gabriele D’Annunzio pour contreténor (ou alto) et piano（2020）

「ガブリエーレ・ダンヌンツィオに基づく2つの歌」は、管弦楽を伴うカウンターテナーのための歌曲「ヴィジョン--ガブリエーレ・ダンヌンツィオに基づいて」から第一楽章と第三楽章の管弦楽伴奏をピアノに編曲したものである。また声種もカウンターテナーを用いる意味合いの強い第二楽章を除いたため、女声のアルトでも歌える歌曲集となっている。
管弦楽をピアノに編曲するにあたってピアニスティックになる様配慮されており、原曲よりも更にモチーフがメロディーに絡み合う技巧的な編曲となった。またシラブル唱法による「暁は光と闇とを分かつ」とメリスマ唱法の強い「風が描く」がちょうど対比をなし、「風」や「雨」、「光と闇の境界」などの自然描写や心理を描くモチーフによって幻想的なテキストを音楽で彩る。