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金子仁美KANEKO, Hitomi(1965.11.2-)
UN JOUR AVEC LE PIANO,for Piano(1992)
ある日ピアノと
- 楽器編成
- pf
- 演奏時間
- 5’30”
- カテゴリー
- ソロ
- 初演
- 21 May 1992. Radio France,Paris. Yoko Kaneko(pf)
- 曲目解説
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自分の作曲行為の方向性を意識し始めた私にとって、ピアノという楽器は、いつしか大変窮屈で、不自由なものになっていた。
それは、12分平均律で調律された、88の鍵盤を持ち、音が固定されている?????という特性によってであった。
絶えず、私のそばにあり、最も親しかった楽器?????ピアノは、パリでの下宿生活を始めてから、遠ざかることになってしまった。身体の一部のように存在していたピアノを失った、何ともいえない淋しさを経験したものの、しかし、それらの日々は、私を新たな創作の営みへと導いていったのである。
さて、私が、その特性に気づいたのは、下宿生活をしていたある日、久し振りにピアノを思った時であった。愕然とした。なぜならば、ピアノは私の欲求を満たすには、あまりに難しいものに感じられるようになっていたからだ。私は何とかしなくてはならない……と思った。
ピアノとつき合いたい……
現代における可能性を見つけたい……
そして、この楽器を表現したい……
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