RESPIRATION I - a，b，c，d，e，f，for Clarinet Solo（1998）

私達は呼吸をする。酸素を吸い、そして炭酸ガスを吐く。管楽器を吹いて音を出す時は、何故、吐く行為だけが表面化するのだろう。あたかも、「吸う」ことは、「吐く」（息を出す、音を出す）ための準備運動としてしか存在しないかのように。生き続けるためには、どちらも同じように大切なのに…。
〈初演プログラムより〉

　呼吸Ⅰ-a，b，c，d，e，fは、各曲独立した作品である。したがって、演奏は、それぞれ独立した形で行うことができる他、何曲かを任意に選択し、自由に好みの順序で組み合わせて演奏することも可能である。また、譜面台の配置に関しても、奏者が自由に決定することができる。参考までに、全曲初演のときに採られた空間配置図を、記譜法解説の頁に掲載する。

　なお、今回の出版に際し、全曲初演者である板倉 康明氏より運指に関する貴重な助言をいただいた。