RESPIRATION III - Coexistence des isolements，for Oboe，Clarinet and Bassoon（2002）

《呼吸(いき)Ⅲ～孤独の共存》オーボエ、クラリネットとファゴットのための
　この作品は、1997年の《呼吸Ⅰクラリネット・ソロのための》、1999年の《呼吸Ⅱフル ートとヴァイオリンのための》に続く第3作目に当たる。このシリーズは、タイトルにあるように「呼吸」がテーマとなっている。地球上の生物が生きてゆく上で必要不可欠な運動。それぞれの生物の特性やメカニズム以前の根元的な運動。あまりにも当たり前で無意識の領域に位置する、この呼吸という運動に焦点をあてるシリーズである。

　今回は、このテーマに「孤独の共存」という視点を取り入れた。この作品では、オーボエ、クラリネット、ファゴットという異なる3つの楽器が、全体に渡って異なるパルスを表現する。異なるパルスの共存は、ある時は偶然にも交じり合い、ある時は孤独のうちに自存する。あたかも人間が抱く孤独と一時の共存への憧れのごとく。