三善 晃MIYOSHI, Akira(1933.1.10-2013.10.4)

ETOILE À CORDES, for Violin and String Orchestra(1990)

ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための〈弦の星たち〉

楽器編成
str(12.10.8.8.6), solo vn
演奏時間
10’00”
カテゴリー
オーケストラ
委嘱
カーネギーホール
初演
11 March 1991. Tokyo. Toho Ensemble, cond. by Ken Takaseki, Akiko Suwanai (vn)
曲目解説
 1991年3月のカーネギーホール開設百周年記念行事に招かれた桐朋学園大学オーケストラのために、新たに作曲された。
 曲名は、「優れた弦楽奏者たちへの賛辞」でもあるが、もう一つの意味は、最近の宇宙論の一つである「Super String論」によって描かれる宇宙開(かい)闢(びゃく)のイメージである。それによれば、宇宙開闢の瞬間、すべての素粒子は極微な「弦の振動」であった。現宇宙の存在する四つの力はそのとき一つの力であったことが、この理論から導き出される。また、現在、宇宙には十の次元が存在し、空間の三次元と時間の次元の他に、六つの次元が10のマイナス33乗という、物理学で考えられる最も極微な世界に閉じ込められている、とも説明される。
 この美しい理論は、弦楽器の一つの弱音の振動のなかから、演奏されるすべての四次元構造を作り出すという作曲手法に投影している。また、聴き取れる音の背後に、意識下の(Subliminalな)聴覚に届けられる音のメッセージを書き込んだ一種の遠近法も、この理論に啓示されたものである。
 演奏時間は約10分。一つの主題の様々な変容が展開し、四つの部分を構成する。

第一部分 Espressivo:弦楽オーケストラが下降する主題の変容を繰り返す間に、独奏ヴァイオリンは上昇する前拍句(Anacrouse)の形で主題を高揚させる。
第二部分 Spirituel:独奏ヴァイオリンの急速なヴィルチュオジテがオーケストラを触発し、主題をオーケストラに手渡す。
第三部分 Cantabile:独奏ヴァイオリンのカデンツ。後半にはオーケストラが加わり、次第に灼熱してゆく。
第四部分 Joyeux-Brillant:強奏される終結部。オーケストラにもソリストが生まれ、変容の様々が組み合わされて高揚し、更に急速なコーダに入る。

(初演プログラムより)

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