STRATA VIII，for Violin and Violoncello（2010）

音域（レジスター）を発想の核に据えての「STRATA」（地層＝STRATUMの複数形）シリーズは'88年から。Ⅰ（弦楽四重奏）、Ⅱ（フルート）、Ⅲ（クラリネット＋チェロ）、Ⅳ（オーボエ＋コントラバス）、Ⅴ（弦楽四重奏）、Ⅵ（トロンボーン＋ピアノ）、Ⅶ（ユーフォニアム＋マリンバ）。
「Ⅷ」では、「核」こそこれまでを継承したが、様式的にやや異なる地点を目指した。いわゆる現代音楽とポップスとを対立する概念と捉えるのは誤り、と僕は考えているが、これはそのひとつの答案だ。
眉根に敏寄せ沈思する現代音楽ではなく、思うさまエネルギーを発散し跳躍する音楽を書こうと目論んだ。