BIVALENCE XII，for Two Harps（2017）

古い友人であり、大切な音楽仲間である篠崎史子さんの「ハープの個展XIV」のために書いた。ソロ曲、協奏曲につづく彼女のための第３作である。1997年から書いてきた同楽器デュオ・シリーズの一環。この曲は、チェロ、ヴァイオリン、ヴィオラ、クラリネット、オーボエ、コントラバス、打楽器、サクソフォン、トランペット、マンドリン、声に連なる「XII」である（このあとフルート、ホルン、リコーダー、ファゴット、トロンボーンと続く）。
　日本の現代音楽の重要なシーンを創造してきた篠崎史子さんは、驚くべきことに、素晴らしい後継者も産み出した。その母娘だからこそ、そして同楽器デュオだからこそ成立する、優れたハーピスト二人の指と脚に賭けた一種のエチュードである。