楽譜

【ビデオレター】池辺 晋一郎《バイヴァランスX》(12/6四人組コンサート)

更新日:2013年12月4日

12/6(金)に迫った第20回「四人組とその仲間たち」コンサート。 当日初めて発表される新作について、作曲家の池辺晋一郎さんから届いたビデオメッセージと解説をご紹介します。


池辺 晋一郎《バイヴァランスX》2つのマンドリンのために

演奏:堀 雅貴(mand.)、高橋 邦明(mand.)
演奏所要時間:約9分

作曲者による解説

マンドリンは「リュート属」の楽器である。リュートは、アラブ、ペルシャ地域で古くから好まれていた「ウード」から生まれた。80年代の数年間エジプトでの仕事に携わっていた僕は、このウードに親しんでいる。その経緯なのか、あるいはおびただしい数の演劇音楽でマンドリンのために作曲した経験が少なくないからなのか、これまでに2度、マンドリン・オーケストラ作品を書いている。現代においてメジャーな楽器とは言えないかも知れないが、魅力的な楽器だ。
そこで、同じ楽器のデュオである拙作「バイヴァランス」シリーズにマンドリンを連ねさせようと考えた。チェロ、ヴァイオリン、ヴィオラ、クラリネット、オーボエ、コントラバス、打楽器、サクソフォン、トランペットにつづく「X」である。
マンドリンが歌えば、それはイタリアだ。その通念に敢えて抗わず、そのイディオムに寄り添いながら、新しい光をこの楽器に当ててみたい。可能性に賭けてみたい。おそらく多くはないであろうマンドリンのデュオ作品として。初演をして下さる堀、高橋両マンドリニスト(と言うのかな?)に感謝しつつ。

(池辺 晋一郎)
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