【ビデオレター】西村朗《薔薇色の谷》(12/6四人組コンサート)
12/6(金)に迫った第20回「四人組とその仲間たち」コンサート。
当日初めて発表される新作について、作曲家の西村朗さんから届いたビデオメッセージと解説をご紹介します。
西村 朗《薔薇色の谷》フルートとギターのための
作曲者による解説
- この曲は次のような想像の風景を着想の源としている。
〝見通しのきかぬ林間の山道を登りつづけて峠に至ると、突然風景が大きく開け、眼下に長く緩やかに下る美しい晩秋の谷が広がる。時は午後。傾いた太陽が紅葉の谷を照らし、谷は薔薇色に染まっている。そのはるか麓はすでに日暮れて暗い。〟
そのような峠に立った瞬間の感慨を思っての作曲。
しばし時を止めて、その美しい薔薇色の谷をゆっくりと歩み下ってゆく。
自分の残余の生の歩みもまた、そうしたものであるようにと願いつつ。
作曲にあたっては、フルートの斎藤和志さん、ギターの鈴木大介さんという二人の素晴らしいアーティストの卓越した表現力と魅惑の音色がつねに念頭にあった。
ギターはグラス・スライド(ボトルネック)を用いての演奏。
曲の発想の中で、ギターの曲線的な響きが渦巻いていた。
(西村 朗)