8月15日に千原英喜先生の「ラプソディー・イン・チカマツ」の男声合唱版を出版いたしました。
 
 
男声合唱版は、なにわコラリアーズの委嘱で2015年5月に指揮:伊東恵司先生、合唱:なにわコラリアーズで初演されました。
 
 
 
「ラプソディー・イン・チカマツ」は、もともとは混声合唱で2003年8月に日韓ジョイントコンサート〈アジアの平和のために〉で指揮:辻正行先生、合唱:大久保混声合唱団で初演されました。
 
 いまでも、混声版の初演を聴きにいったときのことを覚えているのですが、「貳の段」を聴き終えたときに、いわゆるシンプルな「合唱」ではなく、調性的でありながら人間の生々しい情がとりこまれた難曲な作品に直面し、正直、千原先生にどう感想をお伝えしようか困ったことをよく覚えております。
まだ「千原ワールド」と言われる前のころでしたので、あのとき一言、二言くらいの感想しか伝えることができなかったと記憶してます…。
 
 企画当初は、出版しても、こんなにクオリティーの高い作品を歌える合唱団がどのくらいあるのだろうか…と不安もありましたが、出版してみたら私の予想はものの見事に外れ、いまではコンクールやコンサートの定番とも言える代表作で、多くの合唱団で歌われています。(まさにこの頃から私はどっぷりと「千原ワールド」に引き込まれいったのでした)
 
今日、千原先生にお会いしたので、「貳の段」のうめき声などの人間のなまなましい声を楽譜にとりいれたのは、自然と作曲時にうかんできたのか伺ってみました。
 
千原先生「日本の声の表現を取り入れたいと思っていて、声明の記譜「博士」のようにウネウネの線を短めに取り入れようと思いました」
 
あの「ウネウネ線」は声明の「博士」からきていたのですね! 
 
千原先生は、どうやって歌い手をチカマツ芝居に入り込ませようか、また、歌い手にとにかく楽しく歌って欲しいと思いながら作曲されたようで、千原先生ご自身、この作品を書いているときはとても楽しかったとふりかえっておりました。
 
“楽しく作品を書けた”…だからこそ、この作品は千原先生の魅力がぎゅっと詰まっているのだと改めて思いました。
 
最後に、男声合唱版の出版にあたり、男声版はどのように演奏してほしいか伺ったところ、
 
「男声版はとにかく“色気”をムンムンだして、華やかに歌って、声の万華鏡を引きだしてほしい」
 
と仰っておりました。
 
 
 
男声合唱団のみなさま!
 
ぜひ、一人一人が役者になって、「ラプソディー・イン・チカマツ」を自由に楽しく演じてみてください。そこに、千原ワールドの醍醐味があるのですから…♪。
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